メディアポリシー

このページでは、『うらないピティア』編集部が掲げるメディアとしての指針・コンテンツ製作ポリシーについて紹介します。

目次

コンテンツ製作方針

『うらないピティア』では、ユーザーの中長期的な生活・自立にとって好ましくないと考えられる手法で鑑定を行う占い師および占いサービスの一切を排斥し、これを読者へ推奨いたしません

そのために、次のことをコンテンツ製作の指針としています。

うらないピティアのコンテンツ製作方針

  • いたずらに不安感を煽る・引き延ばし行為など著しく悪い利用体験談が多いサービス・占い師を推奨しないこと
  • 読者に占いの乱用・多用を推奨しないこと
  • 無料特典がある場合を除いて、読者に占いサービスの複数登録・併用を推奨しないこと
  • 無料で利用できる部分・期間と有料となる部分・期間があるサービスについてはそれを明記すること
  • 占いを必要としない人には占いを勧めないこと

こうした方針を掲げている背景には、悪質なサービス展開を行う占い師・占いサービスが依然淘汰され切っていないという現状に加え、ユーザーの自立を阻むような鑑定手法が今日において占いが担う役割に反すると信じてやまないからです。

その経緯を説明するにあたって、まずは昨今の占いサービスをめぐる社会事情から説明いたします。

占いサービスをめぐる最近の社会事情

2020年11月、独立行政法人 国民生活センターが「占いサイト」に関する注意喚起を発表しました。

同発表によれば、全国の消費生活センター等に寄せられる占いサイト・アプリに関する相談は年間で1,000件以上にのぼり、2019年度以降増加しています。

また代表的なトラブル・相談の内容としては、下記のようなものが挙げられています。

消費者が無料のつもりで占いサイト等に登録すると、占い師や鑑定士を名乗る者に「あなたは素晴らしい金運を持っている」「良縁に恵まれる」などと言われ、複数回にわたって占いや運勢鑑定と称したやりとりをしたものの、金運や恋愛運の向上等の結果は得られず、やりとりのために高額なお金を支払ってしまったなどのトラブルがみられます。

そのほか、「占いサイトに名前や生年月日等を登録してから、知らないサイトからメールがたくさん届くようになった」など占いサイト等に関連した迷惑メールや、電話の占いサービスに関する相談も寄せられています。

国民生活センター:それって占い?!占い師や鑑定士を名乗る者から次々とメッセージが届いてやめられないー―占いサイトのトラブルに注意,2020年11月26日付.

さらに2021年5月には、同じく国民生活センターから、高齢者や障がい者を見守る立場の人びとに向けた「見守り新鮮情報」として、再び占いサイトに関する注意喚起が発信されました。

占いサイトの広告を見て、無料で鑑定してくれるというのでサイトに登録した。占い師から「あなたには強い守護霊がいる」などというメッセージをもらい、信用してしまった。

その後、占い師が指示する言葉を送り返すように言われ、返信し続けた。

やりとりには有料のポイントが必要で「今やめたら幸せは来ない」と言われ、気が付いたら約120万円も支払っていた。(60歳代 女性)

国民生活センター:やめられない!?占いサイトに気を付けて,2021年5月11日付.

上記はポイント制のメール占い・チャット占いサービスでのトラブルだと考えられるケースで、悪質なサービスでは上記のような事例も見られます。

またこれは通話型の占いサービスである電話占いでも見られることで、いわゆる「引き延ばし」行為の延長線上にある悪徳商法だとも言えるでしょう。

「占いジプシー」という問題

ところで、近年の占いコミュニティにおいては、「占いジプシー」という言葉をよく耳にするようになりました。

「占いジプシー」とは、1人の占い師から得た鑑定結果に満足できなかったことを皮切りに、自分の希望通りの鑑定結果が得られるまで何人も何人も占い師へ鑑定を依頼し、占いサービスの間をわたり歩く人びとのことを指します。

これはもはや占いを信じているのではなく、自身にとって耳ざわりの良い言葉を求めているだけの消費行動です。

こうした占い・お金の使い方はまったく賛同しかねるところであります。

ピティア編集部が考える占いの役割

しかしながら、私たちピティア編集部は、この「占いジプシー」という現象を通して、より深刻な問題の発生を懸念します。

それは、不安感から占いジプシー化してしまう人びとの存在占い依存症に陥ってしまっている人びとの存在です。

たとえば、自分の求める答えが聞けるまで占い師の間をわたりあるく人のなかには、鑑定結果が不吉なものばかりで不安に駆られてしまっている人もいるのではないでしょうか。

先に挙げた国民生活センターの例にも片鱗が見られるように、不安感を煽って占い師への依頼を継続させるというのは悪徳占い師の常套手段です。

他方で、耳ざわりの良い言葉ばかりかけてくる占い師というのも考えものでしょう。

慰めが必要な人には慰めをもたらすことは、たしかに占いが持つ役割の1つだと考えます。

他方で、慰めだけをもたらし続け、自立へ向かって歩み出すべき人を引き留め続けることは、占いの役割ではありません

今日の占いが持つ役割は、絶対的な帰依を求める古代の神託とは異なるのです。

そうであるが故に、いたずらに不安感を煽る鑑定も、ただ慰めばかり与える鑑定も、ピティア編集部は善良で有用な占いだとは考えません

「占いジプシー」を生むような占いはあってはならないのです。

神霊や星のめぐりが身近に感じられにくくなった今日の日本において、占いが担う最もシンプルな役割は1つです。

占いは、鑑定を受けた人に気付きやヒントをもたらし、自省内観を促し、ゆっくりでも良いから次のステップへと自分の足で向かい始めることを後押しするものであるべきだと考えます。

かつて古代ギリシア世界にあった聖所デルフォイの神殿には、アポロンの神託にすがろうと多くの人びとが足を運びました。

国の破滅さえ予言するほど強力な影響力を持っていたデルフォイの神託をめぐっては、予言の内容を都合の良いものにしようと為政者が賄賂を贈ることさえあったと言います。

ときに歪んだ託宣の場ともなったデルフォイの神殿ですが、その入り口にはいくつかの格言が刻まれていたとされています。

そのうちの1つ、「汝自身を知れ(gnōthi seauton)」というものが刻まれていました。

この言葉は、やはりデルフォイの神託を発端に思索を始めた哲学者・ソクラテスの探究にも通じるものがあるでしょう。

ひょっとしたら、占いや神託・お告げといったものは、そもそもの始まりからして人間に自省や内観を促すものであったのかもしれません。

そうであるならば、なおのこと、気付きもヒントももたらさずに不安感や依存性を煽るだけの占いなどは唾棄すべきものとするのが道理でしょう。

以上のような問題意識のもと、ピティア編集部では冒頭に掲げる製作方針を徹底してまいります。

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